ON2スタイル

ON2サルサがカリサルサに勝った(WSC 2009でON2チーム優勝) : ON2スタイル

World Salsa Championships 2009 で異変が起きた。永遠に1位が続くと、誰もがそう思っていたコロンビアのカリサルサチームが優勝できず、MexicoのON2サルサチーム「Ritmo Y Sabor」が優勝した。 3位までのチームは、どのチームが優勝してもおかしくないくらい互角だった。派手さだと3位のチームが一番格好よかったし。結果は、2位・3位はカリサルサチーム(コロンビア)、1位はON2サルサチーム。 コロンビアにはカリサルサの人口が多く、ダンサーとしてのレベルも相当高い。カリサルサチームの方が、大技の完成度は高い。普通の人が観たら、カリサルサの方が派手だし格好いいと思っただろう。ON2サルサチームが優勝した理由のどこにあるだろうか? Mexicoのチームが他のチームより優位だったところは、技と技との繋ぎの良さとターンのスピード。それを可能にしたカギは、音楽の理解にあると思う。 ON2サルサの上手い人は音楽のテンポの取りが他のサルサスタイルより細かいし正確だ。他のスタイルが普通1拍子で動きを取るが、ON2スタイルの場合は0.5拍子以上の細かさで動きを取れる人も多い。勿論、そこまでできるのは難しい。その証拠で、ON2サルサチームのパフォーは動きがぴったりと合うことが少ない。チーム全員が0.5拍子で動きが取れる音楽の理解力がないと、動きがバラバラになってしまう。でも、全員0.5拍子で動きが取れるメンバーならば、速いパフォーマンスでもぴったりと合う動きができる。 0.5拍子で動きが取れるコツはどこにあるのか?実は、音楽の理解は勿論だが、他にステップの踏み方にもある。ON2のステップは普通の歩きのようにまで感じる。でも、地面に足が付いている時間が長ければ(※1)、その分人は体をコンとロースしやすくなる。 例えば、バッターは一秒単位でジャンプして移動するし、バッターは空中に飛んでいる間は進行方向の変えることはできない。ところが、ゴキブリの場合は、ずっと歩き続けるが、一秒の間でも何回も進行方向を変えることができる。 ON2サルサの上手い人はベーシックの重要さを一番知っていると思う。上手いベーシックは、ステップが粘々したように見える。そんなステップができると音楽を細かく取る事ができるし、動きも速くなれる。 速いON2を証明している、現在一番注目されているのチームyamulee in NewYork ※1.男性と女性はステップの数が同一であっても、足が地面に付いている時間は男性方が長いと理論的に言える。男性と女性が同じタイミングでステップを踏み出しても、男性は女性をリードした後に地面から足を離し次のステップを踏むから。 WSC 2009で、3位までのチーム World Salsa Championships 2009TEAM DIVISION FINAL RESULTS 1st Place / Ritmo Y Sabor / 89.567 / Representing Oaxaca, Mexico 2nd Place / Stilo Y Sabor / 87.656 / Representing Cali, Colombia 3rd Place / El …

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ON2サルサ(NYスタイル)の影響で変っていくON1サルサ(LAスタイル) : ON2スタイル

コングレスでパフォーマンスをするチームを見ると、ON2が多くなってきた。というか、上手いチームは殆んどON2になっている。でも、ON1が無くなることはないだろう。サルサが流行っている都市のサルサ人口の80%以上はON1だ。ON1でサルサを始め、上手くなってからON2の方も練習する傾向が多いからだ。ようするに、ON1はON2を踊れるために通る過程になっている。そのために、今のON1は昔のON1の意味なく激しいだけのものではなく、テンションを重視するように変ってきた。 1.パフォーマンスはON1でもフリーダンスはON2 ON2ではないスタイルでパフォーマンスするダンサーもフリーダンスではON2を踊る。イタリアのトロピカルジャムのペルナンドの場合、パフォーマンスはON1だが、フリーダンスはON2も踊れる。有名なダンサー同士は、フリーダンスでON2が当たり前っす。 2.変っていくON1スタイル ※.ON1とON2の違いが分かる動画 ON1とON2、どこがどう違うのかいまいち分からない人、下記の動画を見ると明確に分かるはず。ON1とON2を比較しながら、同時に踊るパフォーマンス。

若い人が増えない東京のON2サルサ(NYスタイル) : ON2スタイル

東京のサルサ界に、若い人が増えない理由はいろいろある。一番大きい理由は、若い初心者が心地よく踊れる場所がいないからだ。 まず、サルサ界の中心になっているON2イベント。技ばかりのオタクの男性、技の先読み達人の女性。男性どうしのコミュニケーションが少なく、中年の女性のおしゃべりの場になっている。 クラブの場合は、たまに若い人たちが来るが、長く続く人はいない。あれだけ長く顔をあわせているのに男性どうしはみんな他人どうしのようで、雰囲気はナンパ中心になっている。そんな雰囲気に、若い人々は当然違和感を感じる。 独自のON1イベントも数多くある。小規模のいい雰囲気ではあるが、今の流行のサルサとは異なるサルサが多い。そのため、人がなかなか増えない。 ヴェルファーレ(velfarre)のサルサイベントがなくなってからは、初心者とベテラン、みんなが集まるイベントはずっとない状態が続いている。 現状のダメなケースをいくつ書いてみる 1.2年くらいで、サルサを止めるクラブ好きの女性 30代で特にちょっと魅力のある女性は、クラブ好きが多い。サルサがちょっとでも踊れるようになったら、ひたすらクラブに行く。20代ではないし、中年のエロおじさんに対しても抵抗感はあまりない。誘われまくりだし、楽しいばかりだ。当然、パフォーマンスもしないし、レッスンもあまり行かない。もちろん上手くもならない。それが、1~2年くらい経つと、誘いが減っていく。今まで誘ってくれた男性も飽きていくのだ。そこからは、下手な人だけが誘って来るようになる。大体、2年くらいでサルサを止める。 2.パフォーマンスだけやって止めるケース クラブは雰囲気は暗い、ON2イベントがオタク。ON1イベントはレベルが低い。あるいは、フリーダンスは興味ない、パフォーマンスで目立ちたい。そんな人々は、パフォーマンスだけやってサルサを止める形になる。1、2回のパフォーマンスの経験で、サルサを止めることが多い。仲には、友達が増えて、楽しくなって続く人もいる。 現状で、若い人々を増やす最善策は、ON2男性のサルサの見直しと初心者も楽しめるイベント(初心者が楽しめると言うのは、上手い人のダンスを観て刺激を受けるという意味)が必要だ。 1.ON2男性のサルサの見直し 女性が本当のサルサのテンションの味を経験するにはON1の男性だけには無理がある。ON2が踊れる熟練した男性のリードの経験が必要。だが、東京のON2の男性は、テンションは忘れて技の数だけにこだわっている。もうちょっと基本に忠実すれば、いいテンションでリードできるはずなのに。若い子はこう思うはずだ。どこが楽しいんだろう、ラテン人とキューバン踊る方が楽しいよ。あるいは、男性のリードについて行けないから、申し訳ないし、私にはON2は無理。結局、ON2のイベントには若い子はいなくなり、おばさんだけ残ることになる。ON2の男性は、自業自得の結末に落ちてしまったかもしれない。あれだけ時間をかけて上手くなったはずなのに、踊ってもらう若い子がいない! 技の数ではなく安定したリードをしない限り、若い子は絶対増えないだろう。派手なパフォーマンスで有名なアドルフォーがフリーダンスの時に、どれだけ優しくリードをするかを観てみよう。 2.初心者(若い人たち)も楽しめるイベントの必要性 現状、サルサが上手いインストラクターはほとんどON2だけを教えている。だが、サルサを始める人はいまだにON1から始める人が多い。それに、サルサを始めてから時間が経ってもON2を知らない人も多い。MAMBONGO、 コンセプト・サルサが、 現状(2010年)ではいい雰囲気のイベントと言えるだろう。ON2のインストラクターたちは団結して、初心者も来れる大きいイベント開いてほしい。そうなると生徒も自然と増えるし、ON2の人口も増えるだろうが・・・

ON2サルサ(NYスタイル)のテンションがいい理由 : ON2スタイル

1.物理的な理由。 ON2サルサの踊りがON1よりテンションがいいのは、人の実力の理由もあるけど、科学的な根拠もある。サルサのペアーダンスの動きは、主にターンと遠心力による反復運動(振り子のように)で構成されている。男性と女性がお互いに引っ張りあい、居場所を変える動きを繰返す反復運動。この反復運動を分析してみよう。重さを持つ物体の反復運動の理想的な例えとして、振り子の運動がある。振り子に例えた場合、ON1よりはON2方が振り子の運動の近いのだ。その原因は、ステップにある。ON2の場合は一番外側のステップが2(7)で、その前と後が1と3。1-2と2-3で、行きと戻りにかかる時間が同じく1テンポ。ON1の場合は一番外側のステップが1(5)で、その前と後が7と2。7-1と1-2で2テンポと1テンポで異なる。ON1は、このステップの時間差でどうしてもテンションが切れる。勿論ON2も2テンポが混ざっている。だが、それは同じ方向の動きの中に混ざっているから、テンションに影響はない。 2.ダンサーの音楽に対する理解能力によるテンションのコントロール ON2の人で、シャインもON2らしく踊れる人は、体の動きを0.5拍子まで細かくコントロールできる。これを、ペアーダンスにも応用できる。振り子は紐が長くなればなるほど、速度が遅くなる。人も同じで、身長と手の長さにより反復運動の速度は変わるはず。それに音楽の速さの影響もある。勿論、機会みたいに計算するわけではないけど、上手い人は、感覚的に音楽にあわせてテンションをコントロールする能力が高い。その能力が正に実力だし、その能力が高い男性が女性には評価される。簡単に一つ説明すると、速い曲では1テンポで動かした動きを、遅い曲ではタメを0.5テンポ入れてから0.5テンポで動かしたりする。 ※ ON2が上手い人はON1を踊る時に、音楽のテンポとずらしたステップを踏んだりして テンションが切れないように心がけたリードをすることもある。 ※参考動画 : Oliver Pineda & Josie Cote – Violin @ Latin Motion Dance Academy

ON2サルサ(NYスタイル)がON1サルサ(LAスタイル)より流行が遅かった理由 : ON2スタイル

ON2が女性にやさしくて楽しいという話はもう常識になっている。女性が楽しいというのは楽に動けることだし、というのは男性も無理のないリードが可能ということにもなる。でも、なんでON2は世界的に流行が遅かったのか?ON2の流行がおそくなった理由は、難しいからだ。ON2が流行るまでの背景をちょっと書いてみよう。 サルサはもともと舞台で見せるための踊りではない。アメリカ・南アメリカなどで、ラテン系の人たちがサルサ音楽を聞きながら踊っていた踊りなのだ。そこにはシャインがあればペアーダンスもある。でも、サルサ音楽は他のダンスミュージックより難しいし、その音楽にあわせた踊りももちろん難しい。サルサ音楽になれていないラテン系ではない人に、すぐ踊れる訳がない。特に、サルサのシャインのダンスを観ると、一つの楽器の演奏みたいに感じれるくらい、他のダンスにはない難しいテンポの踏み方をしている。サルサのシャインを二つ観てみよう。 一つ目をみると、踊りが他の音楽の演奏に混じられた一つの楽器に見れるようでは?二つ目をみると、もっと楽器って感じがする。速いステップとタメが混ざり、ステップの間隔が0.5拍子だったり、1拍子だったり、1.5拍子だったり、2拍子だったりする。サルサのシャインは、音楽を理解しないと、いくらまねしようとしても踊れるようになることはない。 音楽を理解すると更に上手くなれるのはペアーダンスでも同様。男性の一番理想的なリードは女性を動かしてから動くもので、女性より微妙に遅くテンポを取ることになる。サルサ界の1%未満の男性がそんなリードが出来る。だが、女性もテンションの利いたフォローをしないとその味を100%味わえることは出来ない。ちょっと変わったリードとしか思われないのが普通だ。 これだけ難しいON2のサルサ。 ON2がN.Y.のラテン系にすごく流行っても、なかなか他の地域に広がることがなかった。ラテン系じゃない人に先にうけたのはON1スタイル。米国の西部の人々が主にON1を踊るのがその証拠。ON1の人口は広がり、LAコングレスが開催された。ON1はサルサダンスとして世界中に広がるようになった。それが、LAスタイルだと言われている迫力のあるサルサだ。でも、ON1が流行り始めて何年も経たないうちに、まるで待ってましたといわんばかりに、N.Y.のON2ダンサがコングレスでパフォーマンスし始めた。 チームでは Santo Rico (サントリコ)、Karisma(カリスマ)とかになるし、ダンサーでは、 Juan Matos(フアン・マトス)、 Frankie Martinez(フランキ・マティネズ)とかになる。それを観た世界のON1をマスタしたダンサが、今度はON2に嵌ることになる。 でも、ON2の人口がON1の人口を超えることはまずない。ON2は難しいため、どうしても男性はON1をマスタしてからON2を始める。ON2の人口がサルサ全体の人口の20%未満が普通。 いまでも、アメリカの西部はON1を主に楽しんでいる。日本・韓国ではON2を踊る人が結構増えたが、まだON2の味まで出る人は少ない。 0.5拍子のテンポが取れない人にON2の征服はあり得ない。音楽が理解できて、0.5拍子のテンポが取れる感覚を身につけても、そのスピードでステップを踏めることはまだ別の話だ。速くて体重移動が伴うステップを可能にするための、一番のカギはステップする際に必ず骨盤を一緒に動かすことだ。これを理解している人は本当にすくない。だから、ON2の味がでるシャインが出来る人も少ない。 ON2は確かに魅力があるが、ON2の征服の必須条件は、音楽の理解と骨盤の動きの理解だ。